これぞ宇宙戦争 映画「ローグ・ワン」感想

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映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」が公開されたので、さっそく観に行ってきました。

「ローグ・ワンスター・ウォーズ・ストーリー」の限定版プログラムの裏表紙よりK2SO

「ローグ・ワンスター・ウォーズ・ストーリー」の限定版プログラムの裏表紙よりK-2SO

そこに繰り広げられていた光景は自分の知っているスター・ウォーズでありながら、全く知らないスター・ウォーズでした。

スターウォーズのエピソード 3 と エピソード 4 の間を埋める外伝という触れ込みでしたが、これまでのシリーズに登場した兵器が陸・海・空・宇宙と所狭しと暴れ回り、その展開はまさにスリリングでカタルシスにあふれ、そしてそれがたどり着く結末はまさに衝撃的なものです。

ローグ・ワンはスター・ウォーズシリーズの中でも屈指の傑作なのは間違いありません。せっかくなので感想も書いてみます。

反乱軍はテロリストです

見ていて一番驚いたのは反乱軍のレジスタンス活動を、非合法テロリスト活動としての描画していることです。これまで正義の反乱軍、悪の帝国という図式で語られることが多かったのですが、反乱軍の暗部に照明を当てたという意味では異色の作品です。

まず反乱軍のメンバーの境遇からしてかなり反社会的です。主人公の一人のキャシアン・アンドーは、わずか 6 歳で反乱軍に入り、上層部からの指示の下、時には納得の行かない破壊活動や暗殺などに携わっていました。キャシアンの同僚たちも似たような境遇です。

また、途中で市街地をパトロールする帝国軍の戦車が襲撃されますが、これと似たシーンを「アメリカン・スナイパー」で見たことがあります。イラク戦争の後、米軍の戦車がイラクの街をパトロールしていると、テロリストに襲撃されるのです。

砂で覆われた市街地を圧倒的な近代兵器で武装しながら、敵意を持った市民の中で治安を守る姿はまさに米軍そのものです。

フォースは宗教です

「”I’m One With The Force. The Force Is With Me.” (私はフォースと共にあり、フォースは私と共にある)」

途中で主人公たちの仲間になる盲目の修道僧のチアルート・イムウェが常に口ずさむフレーズです。そして、何度も何度も繰り返して言うところはまるでお経のようで、あきらかに仏教の念仏だか題目だかを意識しています。

ここでわかるのは、この作品ではフォースとは思想がばらばらな反乱軍を束ねる宗教と見なされているということです。これも宗教的信念でテロを行うイスラム教を連想させるところですね。反乱軍は、袂を分かったソウ・ゲレラ率いる原理主義から敗北主義すれすれの穏健派までさまざまなグループで構成されていることがこの映画で明らかにされますが、こういう点も現実のイスラム教を反映しているといえそうです。

実際のところ、この映画では反乱軍にフォースの使い手ジェダイはいません。そのため反乱軍のメンバーにとっては、フォースは「存在を信じる」といった類の単純な宗教的信念以外の何者でもなくなっているのです。

ジェダイつおい

スター・ウォーズ・シリーズでジェダイという存在がキープレイヤーなのは間違いないです。。

しかし、実際のところジェダイはクローン戦争でボコボコにやられて、その後もあまり戦争の局面で有用というイメージがありませんでした。むしろ特殊工作員としてとても有能ぐらいのイメージですね。

一方で、ローグ・ワンでは、味方にはジェダイがいませんが、敵側には超有名な元ジェダイ、ダース・ベイダーがいます。今回はダース・ベイダーとの遭遇がすなわち死に直結するというおそろしい敵として描かれています。

いうなれば天災でもう逃げ惑うしかないというレベル。ライト・セイバーを使えるのはこの映画では彼しかいないのですが、銃弾は全部はじかれるし、兵士は一撃で殺されます。敵船に自ら乗り込んで戦う様は、まさに無人の野を行くがごとし。

こんなに強いジェダイを見ることができるなんて、感無量です。

デス・スターつおい

デス・スターは星が破壊できるレベルという触れ込みでしたが、実際のところ兵器としては旧日本軍の戦艦大和のように死蔵されていたせいで、ろくに活躍できないまま破壊されてしまったという印象があったかと思います。

しかし本作ではデス・スターは複数回にわたり使用され、それぞれの戦局を大きく転換させます。

また、デス・スターによる破壊描写はこれまでのシリーズにはないリアリティをもっており、絶望感がこの上ないです。デス・スターを放置していれば、早晩帝国が宇宙を支配できるのも確実と思わせるものがあります。

こんなに活躍するデス・スターが見られるなんて、感無量です。

最終決戦はスター・ウォーズの名に恥じません

やはりこの映画の見所は最終決戦です。

スターなんとかとつく映画やゲームでも、戦局は宇宙規模の話でも、たいていの場合最終的には個人の決闘で片をつけさせることが多いです。しかしローグ・ワンは本当にスター・ウォーズをしています。

最終決戦のミクロな戦いは主人公ジン・アーソの、スパイ大作戦さながらの敵基地に侵入した上での設計図の奪取ですが、同時にノルマンディー上陸作戦を彷彿とさせる海岸沿いでの拠点の争奪戦が同時に行われ、空からは反乱軍の戦闘機が援護のために激しい戦いを繰り広げます。またやはり同時に宇宙では通信経路を確保するために、帝国の宇宙戦艦スター・デストロイヤーと反乱軍の戦艦ハンマーヘッドが軌道上で激しい「格闘戦」を繰り広げるのです。

ミクロ側では「クリフ・ハンガー」ばりのロッククライミング・サスペンス映画のようなスリリングな空中攻防が繰り広げられ、マクロ側では数百機におよぶ帝国軍戦闘機タイ・ファイターがウンカのごとく反乱軍に襲いかかります。

また、海岸での拠点争奪戦ではまさに上陸作戦さながらの戦争が行われ、弾丸の雨の中を通信線を拠点に持ち運んだり、拠点に手榴弾を投げ込んで内部から撃破したりというお約束もあります。また帝国の四足歩行の戦闘マシン AT-ACT が反乱軍に襲いかかるシーンは「ジュラシック・パーク」の恐竜との追跡劇や「ワンダと巨像」での巨像との遭遇を思い起こします。

全方位に手に汗を握る戦闘アクションが繰り広げられる様は本当に圧巻です。こんなスター・ウォーズ見たことありません。

まとめ

ローグ・ワンはこれまでのスター・ウォーズを踏襲しながらも、全く新しい境地を切り開いたと思います。

  • 宗教的集団としての、そしてテロリストとしての反乱軍
  • 戦争でも強いジェダイ
  • 宇宙から個人の決闘まで全方位の戦闘

そして最後の衝撃の結末も見逃せません。

実のところ、本作はエピソード 3 と エピソード 4 をつなぐ外伝という位置づけだったのでそれほど期待していなかったのですが、本当、本編にひけをとらない傑作でしたね。

良い映画を観られた日は幸せです。

参考

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